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2020年11月04日

茶どころ静岡

現在、静岡県は荒茶の生産量で約39%のシェアを占める日本一の生産地であるが、大規模な茶栽培を進めている鹿児島に抜かれそうだとのニュースがあった。
静岡における茶栽培は、約800年前(鎌倉時代)、聖一国師が宋から持ち帰った茶の種を足久保に撒いたのが始まりと言われている。(注1)
芭蕉が、『駿河路や はなたち花も 茶のにほひ』と詠んだように、江戸時代に駿府の茶は既に有名であった。また、足久保の茶が将軍に献上されていた。(煎茶であろう)
明治になると、生糸と茶が盛んに輸出され、静岡茶は清水港から船積みされた。それとともに静岡県は一大産地となった。(牧之原台地の開墾・富士山の南麓などの茶畑の拡大)
今年は、こんなところにもコロナ禍の影響がみられる。東京オリンピック・パラリンピックの延期や各種イベントの中止などにより、ペットボトル茶の需要が減少し、荒茶の生産が大きく落ち込んでいるとのこと。急須に茶葉を入れて飲む世代は高齢者であり、緑茶の需要も先細りである。
和食の海外進出に併せて高級ボトル茶の輸出に取り組む茶商もいるが、生産を取りやめようと考えている茶農家もいる。
緑茶には、カテキン、カフェイン、ビタミンC、ミネラルその他健康によいとされる成分が多く含まれている。(注2)
緑茶の1世帯当たり年間支出額(総務省統計調査)をみると、静岡市が一位で9,491円、鹿児島市、浜松市と続く。全国平均は4,118円である。静岡市民は、地元の茶を飲んで、健康的に暮らす環境に恵まれている。(注3)
(注1)聖一国師は静岡の栃山の生まれであり、安倍川の支流である足久保川の地が、気象や土質からみて茶の栽培に適していることを知っていたと思われる。
(注2)緑茶を習慣的に摂取することで、全死亡リスク及び心疾患、男性の脳血管疾患及び呼吸器疾患による死亡リスク、の減少がみられたと国立がんセンターが研究結果を発表している。
(注3)本山(ほんやま)茶は、安倍川流域や藁科川流域で生産される高級茶である。宇治茶、狭山茶、八女茶など他の産地と区別するため、本山(ほんやま)茶と名付けられた。
【足久保の茶畑】               byまつ もとよ
茶どころ静岡


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Posted by ゴールドランナー  at 10:42 │Comments(0)読者のつぶやき、ルポ、etc

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