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2021年05月27日

開発計画の跡地

 昭和の終わりから平成の初めにかけて世の中バブル景気(S61~H3・1986年~1991年)に浮かれていた。この頃、全国あちこちの野山や海浜にゴルフ場計画やリゾート計画が進行していた。
静岡県には既にゴルフ場が幾つもあり新設する適地がほとんどなかった。千葉県内など首都圏周辺に多くのゴルフ場がつくられた。リゾート施設は主に会員制ホテルであり、特に越後湯沢にスキーや避暑用のリゾートホテルが建てられ、ホテル収用人数が住民数を上回るモーレツな開発であった。投機目的での購入もありメンテや防犯に問題を抱えた。
ゴルフ場やリゾートホテルが大半であったが、会員券の販売により投下資本を早く回収できるからである。
 政府は昭和62年(1987年)にリゾート法(総合保養地域整備法)を制定し、開発ブームを促進させた。余暇需要の増大と多様性の社会が到来し、長期休暇をとり自然に親しめる滞在型施設を整備するとした。全国各地に国民のための保養施設をつくり、サービス産業の振興により地域経済に活力を与え国土の均衡ある発展を図ることが目的であった。
しかし、あぶく銭が雲散霧消すると、開発計画も爪痕を残して多くは頓挫した。背景には、市中に出回り過ぎた金をどのように処理するかという金融経済政策があった。結局、産業構造の転換に対する的確な分析と国民生活の真の豊かさを欠いたまま、リゾート施設の整備は失敗に終わった。
県内にも開発計画の跡が残されている。
西部、浜名湖岸の村越の南端(旧養鰻池)に企業の研究所とゴルフ場を建設する浜名湖頭脳公園計画があった。県の花博記念公園とゴルフ場あとは未利用地である。
中部、日本平に36ホールのゴルフ場計画があった。今は、県舞台芸術公園と県の里山体験公園(遊木の森)である。
東部、小山町の富士山麓、雄大な自然の中に大企業の研修施設を誘致する計画があった。今は、この地域に富士スピードウェイや工業用地がある。
 いつの世も、国の政策に振り回されるのは地方や国民なのである。 by まつ もとよ
【小山町の富士山麓】ゴルフ場、スピードウェイ、造成地など緑を剝いでいる。
開発計画の跡地


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Posted by ゴールドランナー  at 13:41 │Comments(0)読者のつぶやき、ルポ、etc

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