しずおかRC（ランニングクラブ）

25年以上も前に、ロンドン滞在中にノッティングヒルを経由し郊外まで2階建てバスに乗ったことがある。ロータリーのような停留所は馬車時代のままであった。地下鉄は、車内が東京モノレール（浜松町～羽田）のように狭くて足下が窮屈だったのを覚えている。
ロンドンでは1833年に都市バスの営業が始まった。2年前に蒸気バスが誕生したばかりで馬が引くバスも運行されていた。バスが2階建てなのは、馬車バスの席が少なかったので屋根にも客を乗せた名残である。
2階建てバスの1階は床が極端に路面に近く2階は天井が低い。2階の方がすいているが、降りるバス停が近づく前にラセン階段を下りて移っておく、意外と面倒である。
　1863年に世界初の地下鉄がロンドンで開業した。穴を掘り進む技術がない時代、地面を数メートル掘ってからレールを敷いて空間をつくり埋め戻す工法であった。蒸気機関車が客車を牽引し乗客はススだらけになった。1890年に電車となる。このとき丸くて狭いトンネルに、これが「チューブ」の愛称となる。「メトロ」は最初の運行会社メトロポリタン鉄道からである。
サンフランシスコのケーブルカーは路面電車かと見間違えた。でも架線がないので変だなと、降りた後で線路の間にワイヤーがあった。車内の装置がケーブルをつかんで動いている。（※ロープウェイを逆さまにしたようなもの。1873年に建設され現存最古）
フィッシャーマンズワーフでダンジネスクラブを食べようとシティホールから乗った。むき身でも結構高かく塩味が効いていた。意外と冷たい潮風とカモメが印象に残っている。
　ウィーンのリンクを走る路面電車が世界最古と思っていた。
しかし、1835年に開業したアメリカ南部のルイジアナ州ニューオリンズが最古である。
ニューオリンズは最もアメリカらしくない個性的な街と言われている。19世紀初めまでフランスやスペインなどの統治下にあり、その時代の古い町並みが残され異国の雰囲気がある。
ジャズ発祥の地で、管楽器にピアノ、ドラム、ベースそしてバンジョー、華やかで陽気な演奏である。ミッシシッピー川の蒸気船クルーズも楽しめ、旅行で訪れたい都市である。
　by まつ もとよ
【チューブ】